災害時にも活躍する乳幼児用カート「Gaaba」

デザイナー杉原杏璃が描く、安全と使いやすさを追求したデザイン

地震大国である日本。その中でも特に乳幼児を預ける保育施設では、災害時の避難が重要な課題となっています。そんな中、デザイナーの杉原杏璃が提案するのが、日常のお散歩から災害時の避難まで対応する乳幼児用カート「Gaaba」です。

「Gaaba」は、災害時の避難用具としての走行性能と安全性を向上させ、日常時の保育士の負担を軽減し、エルゴノミクスに基づいた使いやすさを追求した大型ベビーカーです。これら二つの目標を組み合わせたデュアルプロダクトとして設計されており、緊急時に子どもたちを守ることができます。

フレームは、構造の変形による力の損失を最小限に抑えるよう設計されています。また、構造材料として大量にCFRPを使用することで、重量を軽減しています。エルゴノミクスの観点から、日本の政府機関が公表している保育士の平均体型情報に基づいた動作分析を行い、押すハンドルの位置を決定しました。さらに、避難時の荒地を突破するために、大型タイヤ、追加のステップ、グリップが装備されています。

「Gaaba」のサイズは1470 x 670 x 1010で、重量は25kgです。キーワードとしては、「子ども」「幼稚園」「保育園」「地震」「乳幼児」などが挙げられます。

このプロジェクトには、RDS Ltd., Co., ONETABLE Inc., exiii design Inc. Yoshihiro Hirata R2, MAGNET Inc., makesense Inc. and quod, LLCなどが参加しています。RDS Ltd., Co.は長年にわたり様々なモータースポーツ関連製品の研究開発に取り組んでおり、最近ではF1チームScuderia AlphaTauriの公式パートナーとなっています。軽くて強く、耐久性のある製品が求められる環境で技術を磨いてきた彼らが、「Gaaba」にその技術を応用したのです。

このプロジェクトは2020年8月に東京で始まりました。「Gaaba」は、災害時の避難装置として設計された大型ベビーカーで、災害時の避難装置としての走行能力と安全性を向上させ、日常時の保育士の負担を軽減し、エルゴノミクスに基づいた使いやすさを追求しています。これら二つの目標を組み合わせたデュアルプロダクトとして設計されており、緊急時に子どもたちを守ることができます。

そして、「Gaaba」は2021年のA' Baby, Kids and Children's Products Design Awardでブロンズを受賞しました。この賞は、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、強力な技術的・創造的スキルを発揮し、生活の質を向上させ、世界をより良い場所にする優れたデザインに授与されます。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: ANRI SUGIHARA
画像クレジット: RDS Co., Ltd.
プロジェクトチームのメンバー: RDS Ltd., Co., ONETABLE Inc., exiii design Inc. Yoshihiro Hirata R2, MAGNET Inc., makesense Inc. and quod, LLC
プロジェクト名: Gaaba
プロジェクトのクライアント: ANRI SUGIHARA


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